公開鍵暗号(こうかいかぎあんごう、Public key cryptosystem)とは、暗号化と復号に別個の鍵(手順)を使い、暗号化の為の鍵を公開できるようにした暗号方式である。1980年代にかけ、日本で紹介された直後は「公衆暗号系」と訳されていた。
暗号は通信の秘匿性を高めるための手段だが、それに必須の鍵もまた情報なので、鍵自体を受け渡す過程で盗聴されてしまうリスクがあり、秘匿性を高める障害だった。この問題に対して、暗号化鍵の配送問題を解決したのが公開鍵暗号である。
1976年に、ウィットフィールド・デフィー (en:Whitfield Diffie)、マーティン・ヘルマン(en:Martin Hellman)によって、初めて公表された。
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1976年以前には、暗号と言えば共通鍵暗号であった。これは、暗号化と復号に同じ鍵を使うものである。
つまり、共通鍵暗号には、鍵の配送に問題があった。
受信者は、あらかじめ送信者に対して密かに共通鍵 C を渡しておく。
送信者は C を使ってメッセージを暗号化してから受信者に向かって送信する。
受信者は、C を使って暗号文を復号し、メッセージを読む
傍受者が、暗号文を傍受したとする。もし、受信者が送信者に C を手渡すときの通信をも傍受していれば、傍受者は C を使って暗号文を復号し、メッセージを盗み見ることができる。
これに対して公開鍵暗号は、鍵の配送(暗号化鍵をどのようにして送信者に手渡すか)が容易になる。つまり :
通信を受ける者(受信者)は自分の公開鍵(暗号化鍵)P を全世界に公開する。
受信者に対して暗号通信をしたい者(送信者)は、公開鍵 P を使ってメッセージを暗号化してから送信する。
受信者は、公開鍵 P と対になる秘密鍵(復号のための鍵)S を密かに持っている。この S を使って受信内容を復号し、送信者からのメッセージを読む。
暗号通信を不正に傍受しようとする者(傍受者)が、送信者が送信した暗号化された文を傍受したとする。傍受者は、公開鍵 P は知っているが、秘密鍵 S は受信者だけが知っている情報であるので分からない。P から S を割り出すことは(計算時間的に)極めて難しい。そのため、暗号文を復号することはおよそできない。